美容に興味のある方なら、SNSなどで顔一面に鍼が刺さっている美容鍼の動画などを見たことがあると思います。
顔に鍼を刺すのは怖い

興味はあるけれど痛そう
治らない傷がついたら…
美容鍼に対して、このように漠然とした不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
いくら美容にいいからといって、顔を傷つけるのは抵抗がありますよね。
この記事では、美容鍼の効果とリスクについて解説します。
美容鍼とは
美容鍼とは、美容を目的とした鍼治療のことです。
鍼灸は東洋医学の治療法の一つで、顔や体のツボを鍼やお灸で刺激を加えて身体のバランスを整え、調子を整えます。美容鍼はこの鍼灸を応用し、顔や頭のツボ、筋肉を鍼で刺激して血流をよくします。
これにより、肌本来が持つ力を高めて、さまざまな肌トラブルの改善が期待されます。
「鍼」と「針」の違いについて
「鍼」と「針」どちらも同じ意味で「はり」のことです。
しかし、現在の日本では、治療で用いる「はり」という漢字は「鍼」に統一されています。
また、「針」と書いた場合は、注射針や縫い針などのその他の針の意味で用いられることが多いです。
鍼灸で使う鍼の太さは約0.12~0.34mm、美容鍼では約0.10~0.20mmです。
一方、注射針は約0.4~1.6mmと鍼灸用の鍼よりも太めです。



鍼灸では細い鍼を使うので、一般的に痛みを感じにくいといわれています。
「美容鍼」と「美容鍼灸」との違い
「美容鍼」と「美容鍼灸」は、美容を目的とした鍼治療として同様の意味で使われることが多いです。
しかし厳密には、美容鍼が顔を中心とした鍼による施術であるのに対して、美容鍼灸は顔・頭だけではなく体全体に鍼とお灸を併用するという違いがあります。
施設によっては、全身を含めた施術を「美容鍼」、顔・頭だけの施術を「美顔鍼」と区別しているところもあるようです。
鍼灸の施術ができるのは、国家資格を持った人のみです。
「はり師」と「きゅう師」それぞれ別の国家資格を持つ「鍼灸師」が施術を行います。
したがって、はり師の資格があっても、きゅう師の資格がなければ、お灸の施術はできません。
美容鍼の効果
美容鍼の効果は、主に次のとおりです。
・小顔
・エイジングケア(シミ・しわ・たるみ、リフトアップ)
・肩こり、頭痛改善
・不眠・イライラ解消
さまざまな不調の改善が期待できます。
美容鍼の肌への効果
肌は、「表皮(ひょうひ)」、「真皮(しんぴ)」、「皮下組織(ひかそしき)」という3つの層から成っています。
美容鍼は、鍼で真皮に小さな傷をつけることで、肌本来が持つ、修復しようとする力を高めます。
自然治癒力が高まることで、コラーゲンやエラスチンという皮膚の弾力を保つ成分が生産され、結果として肌のハリやうるおい、弾力性がアップします。


美容鍼の筋肉への効果
鍼で筋肉に刺激を与えることも可能です。
長時間緊張している筋肉に刺激を与えて、緊張をやわらげます。凝り固まった筋肉がゆるみ、普段使わない筋肉が動かしやすくなります。
下がり気味の皮膚が引き締まると、リフトアップにつながります。
また、鍼を刺すことで筋肉内の血流が改善し、コリやむくみの解消といったリラックス効果が期待できます。
美容鍼の効果はいつからみられる?どれくらい持続するの?



個人差はありますが、美容鍼は1回の施術で効果を実感する方が多いようです。
即効性がみられる理由は、鍼によって真皮や筋肉を直接刺激するためです。組織や細胞が活性化し、自然治癒力によりリンパや血流が改善します。
なお、効果を実感できる期間にも個人差はありますが、一般的な平均期間は1~2週間程度のようです。施術を繰り返すことにより、効果の時間は伸びるでしょう。
美容鍼に通う頻度



美容鍼の効果を継続するには、定期的なケアがおすすめです。
初めての場合、最初の1か月くらいは、1~2週間に1回の頻度で施術を受けると効果を実感できるでしょう。
効果が安定してきたら、鍼灸師と相談しながら徐々に間隔をあけていきます。月に1~2回程度のペースで、定期的に受ける方が多いようです。
上記はあくまでも一般的な内容です。
施術頻度は、肌の悩みや体質によっても異なってくるため、鍼灸師と相談しながら決めましょう。
なお、美容鍼の効果を長く持続させるためにも、無理のない範囲で定期的に通うことをおすすめします。
美容鍼のリスク(デメリット)
ここでは、美容鍼の施術で起こる、主なリスク・デメリットを紹介します。



気になる内容がある場合、鍼灸師に前もって相談しましょう。
痛み
美容鍼で使用する鍼の太さは、直径が約0.10~0.20mmと、髪の毛と同じくらいです。
細い鍼を使うため、痛みを感じることはほとんどないでしょう。しかし、痛みの感じ方は人それぞれです。



鍼を刺す場所によっては、痛みを感じることがあるかもしれません。
内出血
美容鍼は、肌に鍼を刺すことから、出血や内出血を起こすおそれがあります。内出血は、鍼によって毛細血管が傷つき、血液が皮膚や皮下組織に漏れ出ることで起こります。



通常は、数日~2週間程度で回復するケースが多いようです。
ダウンタイム
「ダウンタイム」とは、施術後の赤みや腫れなど、皮膚の状態が落ち着くまでの期間をいいます。



一般的に、美容鍼は、痛みや腫れを伴うダウンタイムはほとんどないと言われています。
しかし、体質やその日の体調などによって、あらわれ方や感じ方はそれぞれです。
好転反応(瞑眩反応)
「好転反応」とは、施術後の、症状が回復していく過程であらわれる一時的な体調不良のことです。
施術により血行が良くなると新陳代謝が高まりますが、好転反応は身体がその変化について行くことができずに生じます。
東洋医学では、瞑胘(めんげん)反応とよばれています。



美容鍼の好転反応として、多くは疲労感・倦怠感や眠気を感じるようです。
保険適用外
美容鍼は保険適用されません。
料金は施設によっても異なりますが、60~90分の施術で1万円前後に設定しているようです。
まとめ
美容鍼の効果やリスク・デメリットについて説明してきました。
美容鍼は、直接刺激を与えて肌に良い反応を起こす一方、少なからずリスクがあることも理解いただけたのではないでしょうか。
効果やリスクの発現には個人差があります。安心して施術を受けるためにも、疑問や不安を感じたら、施術前に鍼灸師に相談しましょう。
近年では、女性だけではなく、男性からも人気を集めている美容鍼。
さまざまな肌トラブルや身体の不調の改善が期待できます。ご自身の悩みに合った施術を見つけてください。